現実。
2009年 07月 07日
旦那さんが亡くなって・・・・葬儀までに一週間ほどの時間が空いた。
その間、旦那さんの遺体は彼の実家に安置された。
火葬された遺骨も
49日の納骨までの日々、実家で過ごす。
当たり前だと思っていた。
でも一度だけでも、大好きだったお店、
今までふたりで住んでいたマンションの部屋と
私がひとりで暮らし始めたマンションには連れて帰りたかった。
やっとその念願が叶った。
亡くなって丁度一ヶ月後、
義理の妹が「お兄ちゃん、お店に連れて行ってあげたいんだけど。」と
電話をくれた。
自分からは言い出しにくかったから有難かった。
伴侶を失ってしまった私同様に、辛かったはずの義母。
私の知る限り、義母は一度も涙を見せなかった。
「今は嫌なこととかあると、お兄ちゃんに(主人の遺骨)向って
文句言うのよ。」
寂しく微笑む義母に、
遺骨をお借りしたい、とは言い出しにくかったのだ。
すっかり片付いてしまい、旦那さんが生活していた頃の面影は
何も無くなってしまった以前のマンション。
まさか、こんな姿で戻るとは思わなかったでしょう?
そして新たに生活を始めたマンション。
今のこの部屋は、激しい騒音を除けば
きっと旦那さんがとても喜んでくれる間取りと日当たりだ。
でも・・・・実際には喜んでもらえない。
騒音酷いね、とも話せない。
何より、この遺骨も一晩限り。
すぐに義母のもとに返さなくてはならず・・・・。
当たり前に義母のもとに帰ると思っていたけれど
改めて知ったこの現実。
この痛み。
そうなのだ。
もう旦那さんは私のところには帰ってこないのだ。
生きている姿では当然のこと
その骨すら、私のもとには帰ってきてくれることはないのだ。
# by zuttowasurenai | 2009-07-07 09:47